日々生活していく中で、冠婚葬祭等を含め、急な出費が発生したことはないでしょうか。サラリーマンでそれが給料日前だと、中々急に用意ができないのもよくあることです。
そのような時に強い味方となってくれるのが、キャッシングです。特にクレジットカードのキャッシングは身近なこともあり、いざとなった時に頼れる存在です。
今回はキャッシングについて、その種類・利用方法・メリット・デメリットをお伝えします。是非今後のライフプランに活かして、お金と上手に付き合っていきましょう。
キャッシングの枠とは?
いざとなったときに頼もしい存在となってくれるのがキャッシングです。まずはそんなキャッシングについて、基本的な知識を確認していきましょう。
特に限度額については、なんとなくわかっているけれど仕組みはよく知らずに使っている方も多くいらっしゃいます。
この記事で、キャッシングの枠=限度額についてしっかり理解しておきましょう。
クレジットカードでキャッシングできる限度額
キャッシングは、借入の一種です。
借入と一言でいっても、大きく銀行系・消費者金融系・信販系と分かれています。その中でも信販系、すなわちクレジットカードのキャッシングは身近な存在です。
どのクレジットカード会社のキャッシングでも、必ずキャッシングの枠といわれる限度額が存在します。
クレジットカードのキャッシング枠は、クレジットカード会社毎に設定されている総利用限度額の枠内で設定されています。
キャッシングの枠はどのようにして決まる?
キャッシングを考える上で、キャッシングの枠といわれる総利用限度額についても詳しく知っておく必要があります。
キャッシングの枠はどのようにして決まるのか、確認してみましょう。
クレジットカード会社の審査
それではクレジットカードのキャッシング枠は、どのようにして決まるのでしょうか。
一般的には、クレジットカードを申し込んだ際に、カード会社毎の独時の審査基準によってクレジットカードの総利用限度額が決まります。
多くのクレジットカード会社では、申込みの段階でキャッシングを希望するかどうか、いくらまで希望するのかを記載します。
カード会社でその申込内容を審査し、カード会社の基準を満たしていると判断された場合、カードの発行が可能です。その際に多くの場合、総利用限度額・内リボルビング限度額・キャッシング限度額が設定されます。
その為、クレジットカードの総利用限度額を超える金額をキャッシング限度額として設定されることはありません。
年収も重要な要素
クレジットカード会社等のお金を貸すことを業務とするものがキャッシング等の貸金を行う際は、貸金業法の適用を受けます。貸金業法では、貸金を行う業者に対する様々な規制があります。
キャッシングに関わる部分でご説明すると、消費者が多重債務に陥らないように保護する目的で設定された規制が総量規制です。
総量規制とは、年収の3分の1までしか貸し出しをしてはいけないということです。例えば年収300万円の方でしたら、対象となる全てのキャッシングの合計が、最大で100万円となります。そのためご自身の年収も大切な要素となります。
ただし銀行等の金融機関は総量規制の対象外なので、銀行系のカードローンやキャッシングは対象外となります。そのため銀行のマイカーローンや住宅ローン等は、総合的な審査には影響しますが、総量規制の対象にはなりません。
住宅ローンなどを抱えていてもクレジットカードのキャッシング枠は別に設定することが可能です。
キャッシングの枠を確認する方法
それではクレジットカード会社が設定しているキャッシングの限度額を確認する方法にはどんなものがあるのでしょうか。
いくつかの方法がありますので、確認していきましょう。
クレジットカードの利用明細
一般的な方法は、クレジットカード会社から毎月送ってくる利用明細書を確認することです。
利用明細書には、対象期間に行ったショッピングやキャッシングの明細が記されており、その限度額も利用可能残高も記載されています。
またその返済方法や支払った利息に関しても記載されているため、今後の返済計画を立てるうえで有効な資料となります。
インターネットのマイページ
最近では紙による利用明細書に代わりインターネット上にマイページを登録し、ネット上で内容を利用者にお伝えする方法も多くなっています。
マイページの内容も、紙による利用明細書同様、対象期間の利用内容が明記されています。総利用限度額・ショッピング枠・キャッシング枠が明記されており、確認が可能です。
したがって、マイページを利用してキャッシング枠を確認するという方法も可能です。
キャッシング枠を利用した借入方法
続いて具体的な利用方法についてご説明します。キャッシングが必要となったときは、以下の方法でスムーズに借入を行うことが可能です。
インターネット
まずはインターネットのマイページを利用した方法です。
クレジットカード会社のマイページにログインしてキャッシングを選択すると、利用限度額と利用可能額が表示されます。キャッシングはその枠内で申し込むことができます。
また返済方法も選択でき、翌月に一括で返済するか、リボルビング方式にするのか選択が可能です。
資金に関しては、クレジットカード会社にもよりますが、申し込みから最短数時間ほどで登録してある口座に振り込まれます。
提携ATM
提携ATMを利用した方でもキャッシングを利用することが可能です。
インターネットでの申し込みは若干のタイムラグがあり、その後のATMでの引き出しが必要です。一方クレジットカード会社と提携しているATMを利用すると、キャッシング枠で利用可能な範囲ではありますが、その場で現金を引き出すことができます。
クレジットカードを、銀行のキャッシュカードのように利用できるため便利な方法です。ただし、引き出す際にクレジットカード会社が定めた所定の手数料がかかることは覚えておきましょう。
この際もインターネットで申し込みをする時と同様、返済方法を選ぶことができます。
電話
クレジットカードのキャッシングを利用されるほとんどの方は、インターネットか提携ATMを利用します。ですが、実は電話でキャッシングを申し込む事もできます。
この場合、クレジットカード会社が指定する電話番号に電話し、ガイダンスに従って申し込む事で利用が可能です。申し込み後、所定の口座へ振り込まれる流れはインターネットと同じです。
キャッシングの返済方法
借り入れについて理解したら、返済方法についても確認しておきましょう。特に繰り上げ返済は便利なため、あらかじめ方法などを確認しておくのがおすすめです。
クレジットと同様の支払い
キャッシングの返済方法は、一般的には他のクレジットカード利用分と同じです。締め日の後に、クレジットカード会社指定の支払日に支払うという形で支払います。
キャッシング利用時に、一括返済かリボルビング返済かを選択することができるのが一般的です。
また最近では、後からリボと呼ばれる方法も一般的です。利用時に一括返済を選択した場合でも、その後の経済事情等によりリボルビングに変更が可能なカード会社が増えています。
繰り上げ返済
キャッシングの返済のもう一つの方法が繰り上げ返済です。こちらは提携ATMを利用し、返済日の前に返済をする方法です。
前倒しで返済可能で、利息が抑えられるというメリットがあります。
キャッシングを利用するメリット
便利なキャッシングですが、よくわからずに使うのは怖いと感じる方も多いのではないでしょうか。まずはキャッシングを利用するメリットについて、しっかりと確認しておきましょう。
キャッシングを利用する大きなメリットを2点ご紹介します。
すぐに借り入れが可能
クレジットカード会社のキャッシングを利用するメリットの一つが、すぐに借り入れが可能だという点です。
通常銀行の融資を申し込んだ場合、収入証明書や諸々の書類を提出し、審査をその都度受けなければいけません。最悪の場合融資を断られるという事もあります。
キャッシングの場合はクレジットカードを申し込んだ段階で利用限度額が設定されています。そのため、限度額内であれば何度でも繰り返し利用できるというメリットがあるのです。
海外でも利用できる場所が多い
キャッシングのメリットのもう一つは、海外でも利用できるという点です。クレジットカード会社が提携しているATMがあれば、海外でも必要な時に利用できるというメリットがあります。
そのため、海外旅行や出張の際に急な出費が必要になってもすぐに対応できます。
キャッシングを利用する際の注意点
このようにメリットが多いキャッシングですが、色々と注意しなければいけないデメリットも存在します。デメリットについてもしっかりと確認し、安心してキャッシングを受けられるようにしておきましょう。
ショッピング枠を圧迫する
デメリットとして、まずはショッピング枠を圧迫するという点です。
これは前述のとおり、キャッシング枠というのはクレジットカードの総利用限度額の中で設定されます。そのため、キャッシングを利用するとその分ショッピング枠が圧迫されます。
そうなるといざ大きな買い物をする際にクレジットカードの限度額オーバーで利用できない場合があるのです。
逆にショッピング枠を使いすぎている場合も、いざ必要な時にキャッシング枠を圧迫していて使えないという事も考えられます。
利息が高い
もう一つのデメリットは、利息が高いという点です。
クレジットカード会社にもよりますが、高い所で年率18%の利息を取るところもあります。市場が超低金利政策を実行している現在では、キャッシングの金利はかなり割高となります。
日割り計算となるため早く返せばそれだけ少ない利息となりますが、市場の金利からみればやはり割高です。
審査が必要なくすぐに借り入れが可能な分、利息が高くなるのは仕方のないことかもしれませんが、利用する際には留意する必要があります。
キャッシング以外の借入方法も検討しよう
クレジットカードのキャッシングの他にも、すぐに借り入れ可能なものがいくつか存在します。そうした他の方法についても、併せて確認しておきましょう。
キャッシング以外の借り入れ方法としては、以下のようなものが挙げられます。
消費者金融カードローン
消費者金融カードローンは消費者金融に申し込み、審査が通った後にカードを発行して融資が可能です。そのカードに設定された限度額内なら、クレジットカードのキャッシング同様に使う事が出来ます。
ただし貸金業法の総量規制の対象なので、審査を行う際もクレジットカードのキャッシングとの合計額が年収の3分の1以内という規制を受けます。
また金利も一般の金融機関の借入金利と比較すると割高です。
銀行系カードローン
銀行系のカードローンも存在します。こちらは銀行を初めとする一般の金融機関が販売する商品です。銀行へ審査を申し込み、通ったらカードが発行されるという点はクレジットカードや消費者金融系のカードローンと同じです。
貸金業法の規制を受けないため、年収の3分の1を超える金額を申し込む事ができます。
クレジットカード・信販系カードローン
クレジットカード会社や信販系の会社が独自に発行するカードローンというものも存在します。こちらはクレジットカードとは別枠の申し込みとなります。
申し込みの段階で再度審査を受ける形となりますが、通った後はカードが発行され、以降は他のカードローンと同じく使用可能です。
クレジットカードのショッピング枠を圧迫しないという点がメリットですが、総量規制の適用を受けるという点は留意すべき点ですし、金利も高めです。
キャッシングを有効に使いたいなら
キャッシングを有効に使いたいなら、まずはキャッシングというものを正しく理解する事が重要です。キャッシングはどこまでも借り入れの一種であり、利用するには計画性をもって利用することが大切です。
またご自身の収入状況を把握し、無理の無い範囲で利用することも、キャッシングを有効に利用するうえで大切な事となります。
収入と支出のバランス、すなわちキャッシュフローを正確に把握することで、キャッシングをより安全・有効に利用できるようになります。
キャッシングの枠を把握していざというときに備えよう
キャッシングは非常に便利な手段です。キャッシング枠だけ設定しておけば特段の審査も無く、最寄りのATMでお金が借り入れできるという点では、銀行の融資よりも使い勝手が良いかもしれません。
更に便利に使う為にも、ご自身のキャッシング枠がいくらあるのか、定期的に把握をされることをお勧めします。
そうする事により、不測の事態により生じる出費に対し不安を感じることなく対処することができますし、ライフプランも計画的に立てる事が可能です。
よくある話として、クレジットカードのキャッシング枠を設定しているが、ショッピング枠を使いすぎて想定していた枠が使えなかったということがあります。
逆にキャッシング枠を使いすぎて、ショッピング枠を圧迫し買い物に支障があったということも多いです。
常にクレジットカードの限度額とキャッシング枠を確認しておくのが、充実した買い物ライフや、ライフプラン実現において大切な事です。是非、日頃からこまめに確認しておきましょう。