海外旅行へ行くときに空港で現地通貨へ両替をつい忘れてしまい、焦ってしまった経験はありませんか。
現地通貨の調達方法として、保有している現金から現地通貨への両替がありますが、海外のATMでキャッシングにより現地通貨を調達もできます。
しかし、キャッシングを使ったことがない方からすれば利息もかかるし、お金を借りて現地通貨にすることに抵抗があるかもしれません。
本記事では海外でのキャッシングのメリットや注意点・利用方法について紹介します。
「海外でのキャッシング方法を詳しく知りたい」「キャッシングする際に気をつけるべきことを知りたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
海外でもキャッシングが利用できる!
クレジットカード会社でも国際ブランドであるVisaやMasterCard、JCB、AmericanExpressは海外のATMでキャッシング利用ができます。
海外でのキャッシング利用の流れは国内でキャッシングする場合と同様です。
ATMで現地通貨を引き出し、後日返済日に口座からキャッシング利用分が引き落としになります。
海外キャッシング利用のメリット
では、海外でのキャッシング利用のメリットについて主に下記の3点が挙げられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
両替よりお得な場合がある
海外キャッシングを利用する場合も手数料が発生しますが、両替による手数料に比べ、お得な場合があります。
空港や銀行窓口での通貨両替の場合は、両替手数料がかかります。
両替する通貨によっても異なりますが、1回につき1,000円〜7,000円ほどです。
海外キャッシングはATM利用手数料とキャッシング利息が発生します。
ATM利用手数料はおおよそ110円〜220円ほどで、キャッシング利息はカード会社によって異なります。
両替する通貨の種類やキャッシングする金額、返済までの期間によっては海外キャッシングの方がお得です。
様々な場所で利用できる
海外旅行へ行くとグルメやショッピング、チップなど現地通貨で支払いするタイミングが多いです。
事前に現地通貨へ両替していても足りなくなることもあります。
現地通貨での両替は空港や銀行窓口にて両替を依頼しますが、限られた営業時間内でしか両替ができません。
しかし、海外キャッシングであれば、最寄りのATMで利用することができます。
海外キャッシングを使えるATMは数多く、またATM利用時間も銀行窓口より遅い時間帯まで利用できるので、急な支払いにも対応できます。
現金を持ち歩く必要がない
海外旅行をしていて1番の不安は現金を持ち歩いて観光することではないでしょうか。
両替だと旅行中に使う分の現金を持ってくるため、観光の都度現金を持ち歩いていくことになります。
またホテルなどに余分なお金を置いていくのも盗難の恐れもあり、危険です。
海外キャッシングを利用すると、現金が必要なときに必要な分だけ引き出せます。
そのため、現金を余分に持ち歩く必要もなく、ホテルに現金を置いていくリスクもありません。
海外キャッシングにはデメリットもある
ここまで、海外キャッシングのメリットについて解説いたしましたが、利便性などのメリットもある中、もちろんデメリットもあります。
海外キャッシングのデメリットについて、下記の3点をそれぞれみていきましょう。
暗証番号の入力を求められる
海外キャッシングを利用するためには、利用するクレジットカードの暗証番号が必要になります。
暗証番号を忘れてしまい、何度も誤入力するとそのクレジットカード自体ができなくなる恐れがあります。
海外旅行へ行く前に利用するクレジットカードの暗証番号を確認しておきましょう。
暗証番号の確認方法については、クレジットカード裏面にあるカード会社の連絡先へ問い合わせます。
また、誤入力で使えなくなった場合も、カード会社の連絡先へ問い合わせして再度使えるようにしてもらえることもあります。
しかし、カード会社によってはカードを再発行してから使える場合もあるので注意が必要です。
暗証番号が曖昧であれば利用する前に事前に確認することをおすすめします。
為替レートにより借入可能額が変動する
海外キャッシングを利用する際、為替レートにより借入できる金額が変わります。
この為替レートが日々変動していることが影響していますが、具体例を挙げて詳しくみていきましょう。
例えば利用するクレジットカードの海外キャッシングができる借入利用可能額が50万円に設定されているとします。
アメリカを旅行するため、米ドルで海外キャッシングする場合に適用される為替レートと借入利用可能額は下記のとおりになります。
- 120円の場合…4,166米ドル
- 125円の場合…4,000米ドル
- 130円の場合…3,846米ドル
- 135円の場合…3,703米ドル
- 140円の場合…3,571米ドル
120円の場合と140円の場合を比較すると、為替レートが20円違うと借入利用可能額の差額が595米ドルです。
このように、借入利用可能額は為替レートが円高のときに多くなり、円安のときに少なくなります。
大きな買い物など高額で海外キャッシングの利用を予定されている場合は、借入利用可能枠とともに為替レートも確認しましょう。
場合によっては借入利用可能枠を上げることも検討してみましょう。
キャッシング利用限度に達していると使えない
海外キャッシングを利用される際は、事前に海外キャッシング利用限度額を確認することをおすすめしています。
しかし、思った以上に海外キャッシングを利用してしまい、利用限度額に達してしまったということもあり得ます。
海外キャッシングは利用限度に達してしまうとそれ以上は利用することができません。
ATMで引き出しする都度、あとどのくらいキャッシングを利用できるかを確認するようにしましょう。
また、複数のクレジットカードを持っていると利用限度に達しているクレジットカードが使えなくても他のクレジットカードで海外キャッシングできます。
海外キャッシングには手数料がかかる
両替を利用する際も手数料が発生しますが、海外キャッシングを利用する場合にも、手数料が発生します。
海外キャッシング利用時にかかるATM利用手数料とキャッシング利息について詳しくみていきましょう。
ATM利用手数料
海外キャッシングで現地通貨を引き出すにはATMを利用しますが、ATM利用手数料がかかります。
ATM利用手数料は110円もしくは220円になりますが、別途ATM設置機関の手数料がかかることもあります。
キャッシング利息
海外キャッシングは日本国内でキャッシングするのと同様に、キャッシング金額、借入期間に応じてキャッシング利息がかかります。
例えば楽天カードで海外キャッシングを10,000円分利用した場合、実質年率18%です。
キャッシングから30日後にカードの請求とともに一括で支払いした場合、キャッシング利息は147円です。
10,000円×18%×30/365日=147円
このように海外キャッシングを利用すると、ATM利用手数料とキャッシング利息の合計額が手数料としてかかります。
キャッシング利息は借入金額が少額で、返済までの期間が短いと少ない利息金額で済みますので、両替よりも手数料が安くなることもあります。
海外キャッシングでどのくらい利用しようと考えているのか、帰国後どのくらいの期間で返済できるかを検討しながらお得に利用しましょう。
海外キャッシング以外の海外での現金調達方法は?
海外キャッシング以外で海外での現金調達方法には、海外銀行の口座への海外送金による現金引き出し、海外送金小切手による現金化が挙げられます。
海外送金による海外銀行口座からの引き出し
海外に永住する、もしくは留学や転勤などで中長期にわたり居住する場合は、居住先の海外の銀行口座を開設するのではないでしょうか。
この海外の銀行口座へ海外送金を行い、着金になったのち、海外の銀行口座から引き出しして、現金を調達する方法があります。
海外送金は海外へ行く前に行う必要があり、金融機関で海外送金をするにあたっては本人確認や送金理由など詳細に確認が行われます。
また、受け取り口座に海外の銀行口座がなければできないため、旅行などの一時的な滞在では海外送金はあまり活用されません。
海外送金小切手による現金化
以前は海外送金小切手による現金化もありましたが、こちらは現在取り扱いが終了になっている銀行が多いです。
海外送金小切手は日本の銀行にて海外送金小切手を振り出し、海外の銀行で呈示して支払いし、現金化する方法です。
大金を持ち歩かなくても、現地にて現金化できるため、ビジネスなどでも活用されていました。
しかし、紛失リスク、偽造・変造リスクが高く、受取人(小切手の受取人)の正確な情報を入手することが困難です。
そのため、2020年頃からメガバンクを中心に取り扱いが終了になりました。
これらのことから、旅行や出張といった短期間での滞在の場合は、海外キャッシングや両替にて現金調達するのが良いといえるでしょう。
海外キャッシングの基本的な処理方法
海外キャッシングを初めて利用する際は、実際どのようにATM操作していいか分からないものです。
海外キャッシングの基本的な処理方法について解説します。
国際ブランドが対応しているか確認
まずは利用しようとしているATMが国際ブランドのクレジットカードに対応しているかどうかを確認しましょう。
大抵はATMに対応している国際ブランドが表記されています。
海外のATMで利用できるカードではVisaやMasterCardが取り扱いできるATMが多く、特に北米ではVisa、欧州ではMasterCardが主流です。
JCBやAmericanExpressでは取り扱いできないところもあるので、複数の国際ブランドのクレジットカードを持ち歩くことをおすすめします。
言語選択ができるATMもある
ATMの中には、画面に表示される言語を選択できるものもあります。
言語選択できる場合、英語を選択できるATMが多いため、英語での操作画面で操作できるようにしておきましょう。
暗証番号など必要事項を入力して現地通貨を受領
言語選択後、クレジットカードの暗証番号を入力し、Cashwithdrawal(現金引き出し)を選択します。
CreditCardを選択するとATMへ入れたクレジットカードでのキャッシングです。
次に、引き出し金額を現地通貨単位で指定し、金額に間違いがなければ「Press if correct」を選択します。
金額変更する場合は「Press if incorrect」を選択して金額変更しましょう。
すると、ATMから現地通貨が出てきて受領することができます。
海外でのキャッシング利用時は防犯面に特に注意しよう
海外でのキャッシングを利用するときは、窃盗やスキミングなどの犯罪に巻き込まれる危険に注意が必要です。
窃盗対策としては、旅行者の多い地区のATMだと窃盗犯のカモにされやすいので、現地の人が多く利用するATMを選びましょう。
また、スキミング対策としては、スキミングの機械が設置しにくい人目につくATMや設置時間が取れないような利用者の多いATMを選びましょう。
海外キャッシングに便利なおすすめカード
では、海外キャッシングを利用するのに便利なおすすめのカードについて4つ紹介します。
楽天カード
楽天カードはポイントの還元率が高いため、保有している人が多いクレジットカードで、海外キャッシングでも利用できます。
海外キャッシングは1回につきATM利用手数料が220円かかるので、まとまった金額を一度に引き出すようにしましょう。
キャッシングの返済は利用月の翌月27日に一括で口座から引き落としになり、あとからリボ払いに変更することもできます。
セディナカード
セディナカードは海外キャッシング利用時のATM利用手数料が無料で利用できてお得です。
そのため、キャッシングする回数を気にすることなく、気軽に利用することができます。
繰上げ返済は電話のほか、会員専用Webサービス「セディナビ」へ登録の上、Pay-easyで返済も可能です。
エポスカード
エポスカードは海外旅行傷害保険が自動付帯され、サポートデスクが24時間日本語で対応してくれる無料のサービスがついています。
初めての海外旅行でも安心して海外キャッシングが使えます。
ATM利用手数料が1万円以下だと110円/件、1万円超だと220円/件かかります。
1万円以下の少額を何度か海外キャッシング利用するには手数料を抑えることが可能です。
三井住友カード
三井住友カードは事前に利用枠の設定・増額が必要です。
海外キャッシングを利用する際に、海外提携金融機関窓口でカードとパスポートを提示してキャッシュサービスを受けることもできます。
ATMで海外キャッシングすることが防犯上不安な方は、金融機関窓口のキャッシュサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
海外キャッシングにおすすめのカードを見つけるならこちら
海外キャッシングを利用するのにおすすめのカードを見つけるには、おすすめの方法があります。
それは、海外を渡り歩いている方や海外出張へよく行かれる方のブログやSNSが参考になります。
実際に現地で海外キャッシングの経験に長けており、注意点やお得な情報が豊富です。
また専門家による比較サイトもそれぞれの海外キャッシングサービスのおすすめな点を紹介しており、参考になります。
ブログやSNS、比較サイトに掲載の内容については、最新の情報かどうか各カード会社のホームページを確認してから検討するようにしましょう。
海外キャッシングを上手に使って旅行を楽しもう
本記事では、海外キャッシングについてメリットや注意点、おすすめの便利なカード4つを紹介しました。
手数料などのコストは必要な金額や現地通貨の種類、返済までの期間によって両替よりも海外キャッシングの方がお得に利用できる場合があります。
海外キャッシングは多額の現金を持ち歩かなくてもよく、ATMからいつでもキャッシングできる、便利で安心して活用できるキャッシュサービスです。
ぜひ海外キャッシングを上手に活用して、お金の不安なく旅行を楽しみましょう。