銀行カードローン審査は甘い?消費者金融系・クレジットカード系との審査の違いや銀行カードローンのメリット・デメリットを解説します

「消費者金融系カードローンには抵抗があり銀行カードローンを利用したいが、審査に通るか不安。」

「どこでカードローンを申し込もうか迷っていて、銀行カードローンとその他のカードローンの違いを知りたい。」

このような理由から、銀行カードローンの審査について詳しく知りたいと考えている方は多いです。

本記事では、銀行カードローンの審査について、大手と地方銀行の比較他のカードローンとの違いにも触れながら詳しく解説いたします。

銀行カードローンを利用する際の注意点も併せてご紹介しておりますので、これからカードローンご利用の機会がある方、カードローンについての理解を深めたい方は、ぜひ参考になさってください。

銀行カードローン審査は甘い?

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消費者金融系カードローンは貸金業法によって総量規制が定められた影響で2010年以降、融資額が大幅に減少しました。

一方で、銀行法に基づく運用を行う銀行カードローンでは総量規制のような貸し付けの上限規制が無かったため、融資額が大幅な伸びをみせました。

加えて、銀行カードローンには総量規制がないために、年収を超える貸し付けなどの実態もあったのです。

このような一部の過剰な貸し付けから、消費者金融系カードローンよりも銀行カードローンの審査の方が甘いという印象がついたと考えられます。

その後、金融庁が銀行カードローンに関して「融資審査の厳格化を徹底し、業務運営の適正化を推進する」べく、検査や実態調査の取り組みを行いました。

現在は貸付業務の健全化が進んでおり、銀行カードローンの審査は甘くはなくなっています。

地方銀行カードローン審査は本当に甘いのか

「地方銀行のカードローンは審査が甘いのではないか」という話をよく耳にします。

これは、地方銀行は大手銀行と違って与信審査のノウハウを持っておらず、保証会社に審査を一任しているというイメージからだと考えられます。

では、実際のところはどうなのでしょう。地方銀行カードローン審査の基準は大手のものと異なるのでしょうか?

難易度は大手と変わらない

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銀行のカードローンにおける与信審査は、大手・地方に関わらずほとんどの銀行で保証会社が行っています。

そのため多くの銀行でスコアリングの審査基準は保証会社のものなので、大手銀行と地方銀行で大きな差はありません。

しかし、2018年の金融庁の調査や指摘以降、保証会社の審査に積極的に関与する銀行が増加しました。

具体的には、保証会社とのコミュニケーションを増やしたり、独自の審査基準の追加要請を行ったりしています。これにより、保証会社の基準だけに依存した体質は改善されてきました。

今後は金融庁の改善要請にどの程度応じるかによって、銀行ごとに審査基準のばらつきが大きくなる可能性があります。

大手銀行カードローン審査との違い

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先に述べた通り、基本的な審査基準には大きな差はありません。

しかし、以下のような場合は地方銀行カードローン審査が大手銀行の審査よりも通過しやすくなる場合もあります。

  • 頻繁な動きのある口座長期間保有している
  • 親族まで口座を保有している
  • 勤務先居住地が銀行に近い

以上のような場合は、銀行が利用者の経済状況を把握しやすくなるために審査に有利に働く場合があります。

しかしこれは利用者の経済状況が安定している場合に限ります。

地方銀行は資金力が小さく貸し倒れによる影響を受けやすいため、経済状況が芳しくないと判明すると逆に審査に通りにくくなってしまうので注意してください。

銀行カードローンと他のカードローンの違い

地方銀行と大手銀行のカードローン審査に決定的な差はありませんが、審査基準には銀行ごとに特色があるのがわかりました。

では、銀行カードローンとその他のカードローンの審査に違いはあるのでしょうか?

消費者金融系カードローンとの違い

消費者金融系カードローン、比較

消費者金融系カードローン審査の特徴は以下の3点です。

  • 貸付限度額が他社の貸し付けも含めて年収の1/3と決まっている(総量規制)
  • 多くは即日融資が可能で、「プロミス」や「アイフル」といった大手消費者金融では最短25分ほどで審査が完了する
  • 上限金利が高く設定されている分、審査が銀行よりも甘い傾向にある

クレジットカード系カードローンとの違い

クレジットカード系カードローン、比較

一般に信販系カードローンとも呼ばれるクレジットカード会社のカードローンの特徴は以下の3点です。

  • 貸付限度額が他社からのものを含めて年収の1/3と決まっている(総量規制)
  • 無人のローン契約機が無くローンカードが郵送されるため、融資までに時間がかかる
  • 金利が会社によって大きく異なるため、審査の厳しさにもばらつきがある

消費者金融系・クレジットカード系ともに総量規制の対象です。

金利や審査の厳しさに関しては、クレジットカード系はちょうど銀行カードローンと消費者金融系カードローンの中間に位置するイメージで捉えておくとわかりやすいでしょう。

銀行カードローンの審査項目

カードローンの審査項目は非公開ですが、どの会社も一定の項目を数値化して審査を行う「スコアリング」という手法を用いており、申込者の情報を数十項目に分類して数値化し評価します。

このスコアリングには、主に収入・勤続年数・雇用形態などの属性情報信用情報借入額(他社からのものも含む)が含まれます。

スコアリングの項目の中で、審査の際に重視されるポイントはどこなのでしょうか?

収入(属性情報)

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収入については安定性が最も重要となります。収入が多いほど良いというわけではなく、どれくらいの収入がどれほどの期間継続して得られるかというところに重点が置かれます。

そのため収入の額だけでなく勤続年数雇用形態なども審査対象なので、転職の予定がある方は注意しましょう。

また、たとえ高収入でも定期的でなく断続的に年に数回不定期な収入があるという場合は審査に通りにくい可能性もあります。

信用情報

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信用情報とはローンやクレジットカードなどの利用履歴のことで、おおよそ過去5年から10年ほどの情報が信用情報機関に記録されています。

カードローン審査では、これまでの返済や支払いを滞りなく行ってきたかどうかが見られます。

もし過去に返済や支払いが滞ってしまったとしても、5年から長くても10年ほど時間を置けば審査には影響しなくなる場合がほとんどなので安心してください。

借入額

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銀行カードローンには総量規制は適用されません。しかし前述の金融庁の取り組みにより、ほとんどの銀行は年収の1/2の融資上限枠を設けました。

そのため、多くの銀行では他社からのものを含めた借入額が年収の1/2未満かどうかを確認します。

この際、普段あまり使用していないカードローンやクレジットカードも簡単に借り入れができるサービスのため、場合によっては他社からの借り入れとしてカウントされます。

必要のないものは事前に解約しておくと良いでしょう。

銀行カードローンのメリット

ここまで銀行カードローンの審査について解説してきましたが、実際に銀行のカードローンを利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

限度額内であれば繰り返し借入可能

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通常の融資は決まった額を一括で借り入れて期日までに返済していく仕組みですが、カードローンでは、借入限度額内であれば繰り返し借り入れができます。

また、限度額まで借り入れたとしても、その後に一部でも返済すれば空いた枠の分は再度借り入れられます。

カードローンは限度額内であれば自分の必要なタイミングで必要な額を借り入れられるので、あらかじめ契約をしておけば急な出費の際に困りません。

金利が低い

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銀行カードローンは保証会社があるため貸し付けに伴うリスクを回避できるので、金利が他のカードローンよりも低い傾向にあります。

具体的には1.5%から15%ほどで、消費者金融系カードローンの金利は約3%から18%なので大きな違いです。

これは長期で借り入れを行う際にメリットとなるので、長期的に借り入れを行いたい方は銀行カードローンを選ぶのが良いでしょう。

利便性が高い

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銀行カードローンには以下にご紹介するように、他のカードローンと違った利便性があります。

  • もともと口座を持っていれば、新たに返済用口座などをつくらなくて済む
  • 提携したATMを使えば現金を引き出す際の手数料が無料になる
  • 自動融資機能が利用できる
  • 金利の優遇制度を受けられる場合がある

自動融資機能とは、普通預金口座で自動引き落としが残高不足となったときに自動的に不足分が借り入れられる機能です。

公共料金などの自動引き落しを、あらかじめカードローンを契約した銀行の普通預金口座に設定しておけば、残高不足で引き落とせないといったトラブルを防げますね。

また、同じ銀行で住宅ローンを申し込むとカードローンの金利が低くなるといった優遇措置を行っている銀行も多くあります。

すでに住宅ローンを利用している方は、同じ銀行のカードローンを選べば金利が抑えられる場合があるので確認してみましょう。

銀行カードローンのデメリット

ご紹介したように、銀行カードローンにはメリットが多くあります。加えてデメリットも知っておくと、より安心して利用できます。

銀行カードローンのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

即日融資が難しい

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銀行のカードローン審査では、反社会的勢力との関連の有無を調べるために利用者の情報を警察のデータに照会しなければなりません。そのため、審査に最短でも1日は時間がかかり即日融資は難しくなります。

これは消費者金融系やクレジットカード系では生じない行程です。即日で現金が必要な場合は、消費者金融系のカードローンを選びましょう。

フリーローンより金利が高い

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フリーローンはカードローンと同じく利用目的を限定されない個人向けローンです。

借り入れ回数は1回のみで追加の借り入れができない点がカードローンとの違いで、再度借り入れる場合にはもう1度申し込みと審査が必要になります。

その代わりフリーローンは一般的にカードローンよりも金利が低く設定されているので、両社の強みを活かして、用途によってどちらのローンを利用するか決めると良いでしょう。

口座開設が必要

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銀行によってはカードローンの申し込み時に口座開設が必要です。その場合、カードローンの申し込みだけでなく口座開設の手続きも行わなければならず、手間がかかります。

口座開設が必須でない銀行もありますが、口座を保有している場合としていない場合とで金利などの優遇措置に違いが生じる場合があるので注意しましょう。

利用を考えている銀行カードローンについて事前にリサーチして申し込むと安心です。

実は大手銀行カードローンの方が審査が通りやすい?

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地方銀行と大手銀行で審査の基準にそれほどの差はないとお伝えしました。しかし、利用する地方銀行の規模財務状況によっては審査が厳しくなることも知っておきましょう。

地方銀行は大手と違い資産が少ないため、利用者が返済できなくなってしまった場合(貸し倒れ)のダメージが大きくなります。そのため、審査基準を厳しくせざるを得ない場合があるのです。

「地方銀行に長期間口座を持っていて長く付き合いがある」などの事情がないなら、資金に余裕がある大手の銀行の方が審査に通りやすいでしょう。

銀行カードローン審査は在籍確認はある?

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場合によっては在籍確認が免除になることもありますが、100%ないと言い切れるカードローン審査はありません

銀行カードローンについても例外ではなく、在籍確認が行われる場合は主に電話での連絡になります。

しかし、在籍確認については各社で申込者に配慮した確認方法がとられており、会社名や電話の目的を伝えずに担当者の個人名で電話がかかって来ます。

特に銀行からの電話であれば、会社にかかってきてもカードローンの在籍確認だと悟られにくいのではないでしょうか。

ご心配の場合はどのような流れで行われるのか事前に確認しましょう。個人名での電話をお願いするなど、希望を伝えておくと安心です。

また、一部の消費者金融系カードローンでは電話でなく書面での在籍確認に対応している場合があります。どうしても電話での在籍確認を避けたい場合は検討してみましょう。

銀行カードローンで借入する際の注意点

銀行カードローンは利子が低く、イメージ的にも安心して借り入れが行えるように思えます。そこで、銀行カードローンをより安心して利用するために気をつけるべきポイントをご紹介します。

返済可能な金額を借入する

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金融庁の統計によると、ローン利用後の家計の状況について「かわらない」もしくは「悪化した」という回答が7割近い結果となっています。

銀行カードローンは利便性に加え金利も低く安心感がありますが、総量規制がありません

ほとんどの銀行で貸し付けの上限は年収の1/2に設定されており、他のカードローンよりも高くなっています。そのため、他の系統のカードローンで上限の1/3を超えている場合でも追加で融資が可能です。

計画性のない借り入れで家計が悪化しないよう、余裕のある利用を心がけましょう。複数の借入で返済が難しくなった場合は、おまとめローンを検討してみるのも良いでしょう。

嘘の情報を記入しない

書類に記入する人

嘘の情報を記入しても、ほとんどの場合は審査の段階で発覚してしまいます。

嘘の情報を記入したことが露呈すると、その後同じ会社での審査に生涯にわたって通らなくなる可能性があります。

万が一嘘の情報で審査を通過し、ローン契約開始後に嘘が発覚した場合は、その場で契約が無効となってしまうかもしれません。

借り入れたお金を一括で請求される可能性もあるのです。

嘘が発覚してしまった場合のデメリットは非常に大きいので、嘘の情報を記入するのは絶対にやめましょう

銀行カードローン審査について理解を深めておこう

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銀行カードローンには利便性の良さや金利の低さなど、銀行カードローンならではの様々な利点があります。

一方で、消費者金融系やクレジットカード系のカードローンのような総量規制が無く、貸し付けの上限が法律で明確に決められていません。

利用に際しては、余裕を持って計画的に借り入れを行いましょう。

銀行カードローンについて理解を深めれば、そのメリットを余さず使いこなせます。ぜひ、自分に合ったカードローンを探してみてくださいね。